その声を聞かせて
"ならこれ以上聞くな"
そう言って彼は立ち上がって救急箱を片付けに行った。
本当にこの人って…
もう少し優しく言えないわけ?
「あーそうですか。悪かったわね」
私も勢いよく立ち上がる。
が、やはりよろめいてしまいまたソファに座ってしまった。
これじゃ仕事も休まなきゃだな…
"無理すんな。今送ってくから"
「…はい」
そして車がある地下の駐車場までまたおぶって運ばれる。
乗せられた車は黒のベ◯ツのマイ◯ッハのSUV。
その隣には数台のスーパーカーが止まっていた。
「もしかして…あれも?」
彼は頷く。
いやいや桁違いに金持ち!
直樹なんて足元にも及ばないのでは!?
もうこれ以上この人には近づかないようにしよう。
そして私のマンションまで送ってもらう。
よくでくわすのも納得だ。
めちゃくちゃ近所だったから。
またおぶってもらってエントランスで鍵を…
「ない! 鍵がない!」
彼は耳を押さえる。
「えーーー!」
私はそれを無視してまた叫ぶ。