その声を聞かせて
するとその時ガチャっとリビングのドアが開く音がした。

へ?

振り返るとやっぱり彼だ。

彼は帰ってきたらしい。

「もう17時?」

彼はフルフルと首を振る。

「お、おかえり…なさい…?」

私はそーっと脚を下ろした。

私を見るなり荷物を置いて手洗いうがいをして彼はテーブルにあった残りのパンを食べ始める。

「あの…、いろいろありがとう」

ここは素直にお礼は言っておこう。

返事はない。

「あと、鍵見つかった。ジムに忘れてたみたい」

これも返事なし。

「あの…」

すると携帯の画面を見せられる。
私はヒョコヒョコ近づく。

"あんた、口かたい?"

「口!? 柔らかくない? 普通」

何言ってんのこの人。

"違ぇよ。秘密守れるかって"

「あ…まぁ。わざわざ言いふらすタイプではない」

そして無反応。
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