その声を聞かせて
そして30分を過ぎた頃、どうしても気になって寝るに寝られず起き上がる。

「ああもう!」

私は部屋着のままフラフラしながらエレベーターを降りてエントランスまで行くと、やはりまだ直樹が待っていた。

「由麻っ!」

久しぶりに聞いたこの高めの声。

今となってはなんだか落ち着かない。

「大きい声出さないで」

「やっぱり俺が間違ってた! やり直させてくれないか?」

なんにも心に響かない。

むしろキンキンと頭に響いて痛い。

熱があるのも気付かないんだこの人。

足だって怪我してるのに私の肩を持って揺さぶる。

最悪。

視界がグルグル回る。

「直樹…帰って…お願い…」

なんとか声を出す。

「何でだよ! やっぱり君じゃないとだめなんだ!」

頼むー
やめてくれー
揺らすなー

「もう直樹とは無理だから私」

最後の力を振り絞ってなんとか直樹を見る。

あー、本当やばい…

倒れそう…
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