その声を聞かせて
「僕はそこの医者をしてる」
驚き過ぎて言葉も出ない。
「なんだ凌、彼女に言ってなかったのか?」
「彼女じゃない」
「おっとそれは失礼。ちょっとごめんね」
そう言って凌のお兄さんの渉さんは検温したり血圧を測ったりする。
「うん。もう大丈夫だね。具合が悪くてもしっかり食べないとだめだよ?」
そう言えば何も食べてなかった…
「すみません…」
「足も湿布を貼ってこのまま安静にしてれば大丈夫だからね」
点滴を手際よく外され、渉さんは片付け始める。
「お薬も出しておくから、しっかり飲んでね」
「は、はい。ありがとうございます」
「はい。それじゃあとは何かあれば凌を使いなさい」
そう言って渉さんは帰って行った。