ステラクリマの匣庭ー貴方が読むまで、終わらない物語ー

本を開いてくれた貴方へ

これは、まだ誰も知らない物語。

星々が愛に溺れ、少女が心を砕いた、遠い遠い夜の記憶。

僕は、彼女の中に置き去りにされた心の残響。
名前もない、光でも影でもない、ただの“かけら”。

……けれど、願ってしまった。
この物語が、誰かの心に届きますようにと。

読んでくれる貴方へ。

最後まで、聞いてくれるだろうか。

これは、少女の祈りと罪と、星たちの恋と狂気の記録。

それを“物語”という形にして――僕が綴った、ささやかな遺言だ。

貴方が読み終えたとき、
きっと僕はもう、消えてしまっているだろうけれど。

それでも。どうか、忘れないで。
< 1 / 30 >

この作品をシェア

pagetop