ステラクリマの匣庭ー貴方が読むまで、終わらない物語ー


一つ、また一つ。
心が剥がれていく音を、僕は聞いた。

けれど、彼女は泣かなかった。
涙は、もう枯れていたのかもしれない。

……僕が代わりに泣くことができたなら。
そんなふうに、思っていた。

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