サルビアの育てかた
 ──その後も色々と大変な思いをした。気が動転したまま私が二人のやり取りを眺めていると、やがて静かだったはずの丘の周辺が騒然とし始めたの。

 パトカーのサイレンだ。

 恐らくその場にいた何組かのカップルに通報されたのだろう。警察がすぐに駆けつけて来て、私たちは事情聴取を受けた。

 何をされたかなんて話したくもなかった。だけど警察の人は、根掘り葉掘り色々訊いてくるから正直なところとても疲れてしまった。

 ヒルスは、ライクさんを一度だけ殴ってしまったことを正直に話していた。あくまでも兄として、妹を守るためだったんだという説明も付け加えて。私の捜索願いが出されていたらしく、事情が事情なだけに彼は厳重注意で済んだ。

 そしてライクさんは──自分のしたことを全て認め、その後警察に連行されていった。
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