サルビアの育てかた
 私とヒルスが警察から解放された頃には夜空が白み始めていた。一睡もしていないのに、驚くほど目が冴えている。

 帰りの車内には気まずい空気が流れ、しんと静まり返る。彼が運転する車に揺られながら、私はただただ無言で外の景色を眺め続けた。

「レイ」
「……ん?」
「疲れただろう? 少し寝ていてもいいんだぞ」
「……うん」

 短く返事をするだけで、私は流れゆく外の景色から目を離さずにいる。
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