サルビアの育てかた
「ヒルス、おやすみ」
『ああ。おやすみ……レイ』

 ヒルスの声は低くて凛々しい。こうして二人だけで会話をすると、彼は優しい話しかたをするようになった。
 いつしか私は、そんな彼の声を聞くと心が癒されるようになったの。

 だからもう、大丈夫。

 嫌なことも、怖いことも、どんなことも。ヒルスの清らかな魔法が溶かしてくれる。
 まるで灼熱の炎を、綺麗な水で消し去るように。
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