サルビアの育てかた
 こちらに視線を戻し、先生はまた優しい表情に戻った。

「どうかな、レイ。来週から特待クラスに来ないかい?」
「そんな……私なんかがいいんですか? 素敵なダンサーは他にもたくさんいるのに」
「何度も言わせる気かい? 僕もヒルスも君の実力を認めているんだよ。今日のダンスを見て改めて確信した。君はもっとその才能を伸ばすべきだ。僕たちの目に狂いはない!」

 先生はキラキラと目を輝かせている。
 特待クラスになると、一気にレベルが上がると聞いたことがある。メンバーたちのダンスもそうだし、練習量だって今までと比べられないくらい増える。踊ることは大好きだから、どんなに厳しい練習でも構わないとは思う。でも、メンバーの中には本気でプロを目指す子もいるらしい。そういう人たちと一緒になって練習していくのは、正直プレッシャーはある。
 だけど──私も生半可な気持ちで踊ってきたわけじゃない。こんなにも先生が私のダンスを称賛してくれているし、ヒルスからも認めてもらえたし……。

 期待と不安とドキドキが心の中で交差する。それでも、私は先生とヒルスに向かって大きく頷いた。

「私でよければ、よろしくお願いします」
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