サルビアの育てかた
 顔が熱くなりどう返事をしようか迷っていると、隣でヒルスが大きく頷くの。

「レイ。先生がここまで称賛するなんて、なかなかないんだぞ」
「そうなの?」

 先程とは打って変わって、ヒルスはまっすぐ私の目を見て話した。

「ははは。そうかもね。僕はこう見えてダンスに関しては結構厳しい目で見ているんだ。気軽に褒めたりしないさ。それにヒルスもね、いつもクラス内で言っているよ。『レイは必ず将来ビッグなダンサーになる』ってね!」
「……ヒルスが?」

 ちょっと信じられなかった。だって、家ではいつも冷たいヒルスだよ? 私のことをそんな風に言ってくれるなんて……考えられない。
 ヒルスは顔を真っ赤にして、慌てたように言うの。

「ジャスティン先生、その話はこいつに漏らさない約束ですよ……」
「まあまあ、照れることはないさ! 事実だろう!」

 二人のやりとりを見て、私は思わず目尻が熱くなる。
 そうなんだ。ヒルス、そんな風に思ってくれていたんだ……。いつもだったら「もっと褒めてよ」なんてせがんじゃうけど、もう充分だよ。胸がいっぱいでどうしようもない。
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