サルビアの育てかた
 エントランスに入ってすぐ、ジャスティン先生とフレア先生が私たちを出迎えてくれた。

「ハイ、ヒルス、レイ! おはよう」
「おはようございます、ジャスティン先生」

 ヒルスと一緒に、私は先生と挨拶を交わす。
 今日もばっちりオールバックに決めてお洒落なスーツを着こなすジャスティン先生は、いつも以上に眩しい笑顔で瞳を輝かせていた。

「今日という日を楽しみにしていたよ。君たち二人のペアダンスを披露できるのは、本当に貴重なことだからね!」
「はい。先生が私たちのために色々と配慮して下さったおかげです」

 私の言葉を聞くと、ジャスティン先生はこの上ない喜びを爆発させるように大笑いをした。
 朝から元気な先生を前にすると、私も自然と笑顔になれる。

「ヒルス」

 ジャスティン先生の隣で、フレア先生が優しい顔をヒルスに向けた。

「ああ、フレア。おはよう」
「ええ。お父さんのこともあって、大変でしょう」
「まあな……でも家族で協力して何とかやってるよ」
「そう。何かあったらいつでも言ってね。今日はあなたのクールなダンス、期待しているわ」
「ありがとう」

 フレア先生は、次に私の前に立って綺麗な笑顔を浮かべた。

「レイ。元気?」
「はい、お陰さまで。フレア先生もお元気そうで何よりです」
「あなたのカポエラダンス、楽しみにしてたのよ。今日は頑張ってね」
「はい、ありがとうございます」
「女子の更衣室はあっちにあるの。案内するわ。ヒルス、レイを連れていくわね」

 フレア先生はにこやかに私の手を引いてくれた。
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