サルビアの育てかた
※
大会当日。
舞台袖で出番を待つレイは、普段からは考えられないほど口数が少なかった。
会場内はすでに大盛況で、他のダンサーがステージで踊るのをレイはじっと眺めていた。完全に顔が強ばってしまっている。
「レイ」
「う、うん?」
「緊張しすぎだ。もう少し、リラックス」
「う、うん……」
レイは大きく深呼吸をしながら頷く。
初めての大会でしかもソロで踊るなんて、緊張しないわけがない。俺も経験した。気持ちは分かる。
だからこそ、レイの気持ちを何とかほぐしてやりたかった。
「一人じゃないからな」
「……え?」
「俺は今日ステージには上がらないけど、心ではお前のそばにいる。思い出せよ、今日まで必死になって練習してきただろう。いつも通りに踊れば、お前なら絶対に大丈夫だ。もし不安になったら俺の顔を見ろ」
「ヒルス……」
レイの表情が少しだけ和らいでいく。
「そう、だね。ヒルス、つきっきりで私にダンスを教えてくれたもんね。忘れてないよ。あれだけ練習してきたから、前よりももっといい踊りができるようになった気がするの」
「気がする、じゃなくて。そうなんだよ。確実に成長している。レイのダンスには光るものがあるんだ。それを今日のステージで見せつけてやれ」
「……うん、分かった!」
頬を淡いピンク色に染め、レイは大きく頷いた。緊張なんて文字がどこかへ吹き飛んでいったように。
大会当日。
舞台袖で出番を待つレイは、普段からは考えられないほど口数が少なかった。
会場内はすでに大盛況で、他のダンサーがステージで踊るのをレイはじっと眺めていた。完全に顔が強ばってしまっている。
「レイ」
「う、うん?」
「緊張しすぎだ。もう少し、リラックス」
「う、うん……」
レイは大きく深呼吸をしながら頷く。
初めての大会でしかもソロで踊るなんて、緊張しないわけがない。俺も経験した。気持ちは分かる。
だからこそ、レイの気持ちを何とかほぐしてやりたかった。
「一人じゃないからな」
「……え?」
「俺は今日ステージには上がらないけど、心ではお前のそばにいる。思い出せよ、今日まで必死になって練習してきただろう。いつも通りに踊れば、お前なら絶対に大丈夫だ。もし不安になったら俺の顔を見ろ」
「ヒルス……」
レイの表情が少しだけ和らいでいく。
「そう、だね。ヒルス、つきっきりで私にダンスを教えてくれたもんね。忘れてないよ。あれだけ練習してきたから、前よりももっといい踊りができるようになった気がするの」
「気がする、じゃなくて。そうなんだよ。確実に成長している。レイのダンスには光るものがあるんだ。それを今日のステージで見せつけてやれ」
「……うん、分かった!」
頬を淡いピンク色に染め、レイは大きく頷いた。緊張なんて文字がどこかへ吹き飛んでいったように。