サルビアの育てかた
「まさか、覚えてないの?」
「何の話をしているのかさっぱりだ」

 目線を下に落とし、俺は小さく頷くしかない。そんな俺の前で、フレアは大きく息を吐く。

「あなたがお酒に弱いのは分かっているけど、昨日はいつもより酔いが早かったわね」
「そうだな。二杯しか飲んでいなかったはずなのに」

 フレアは無表情で俺の顔を見つめ、小声で言う。

「帰ったらレイに謝ったほうがいいわよ」
「だから何を」
「だってあなた昨日──」

 俺はフレアの話を聞いて驚愕した。それと同時に、自分自身の行動が許せなく、殴り飛ばしたくなるほどの怒りが込み上げてくる。
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