サルビアの育てかた
◆
一時間ほど車を走らせた後、懐かしい風景が俺たちの前に現れる。
ハニーストーンの家々が立ち並ぶ田舎町。田園風景が広がる自然豊かな地区。馬に乗って道路を走る人。久しぶりに訪れると、何だかファンタジーな絵本の世界に入り込んだような気分になる。
それからようやく辿り着いた。実家があった、跡地に。
周辺の景色は何も変わっていない。近所の家も目の前にある道路も、何事もなかったかのような顔をしている。
たったひとつだけ変わったもの。それは──そう、二階建てで堂々と建つ新しいダンススクールだ。
新スクールは、濃いハチミツ色の新しい石で造られていて、入口のドアもお洒落な作りだった。
「わあ。凄いね!」
レイは興奮したように声を上げる。
敷地内の駐車場に車を停めると、ジャスティン先生が満面の笑みで出迎えてくれた。
「やぁヒルス、レイ。よく来てくれたね!」
ジャスティン先生の笑顔は今までにないほどに輝かしい。綺麗にスーツを着こなし、今日は珍しくリーゼントヘアにしていた。
「先生、本当に立派なスクールですね! 私驚きました──」
車から降りてレイは楽しそうに先生の元に駆け寄るが、急に黙り込んでしまった。
俺も彼女の後を追うように車から降りるが、その瞬間に笑顔を浮かべることが出来なくなってしまった。
「ヒルス! 久しぶり。会いたかったよ!」
ジャスティン先生の後ろからひょっこり顔を出したのは──絶対に会いたくない相手だった。
顔を見ただけで胸糞悪い。
俺の頬はこの上なく引きつってしまっているだろう。
まさか。どうしてこいつが。
「……あんたも来てたのか。メイリー……」
一時間ほど車を走らせた後、懐かしい風景が俺たちの前に現れる。
ハニーストーンの家々が立ち並ぶ田舎町。田園風景が広がる自然豊かな地区。馬に乗って道路を走る人。久しぶりに訪れると、何だかファンタジーな絵本の世界に入り込んだような気分になる。
それからようやく辿り着いた。実家があった、跡地に。
周辺の景色は何も変わっていない。近所の家も目の前にある道路も、何事もなかったかのような顔をしている。
たったひとつだけ変わったもの。それは──そう、二階建てで堂々と建つ新しいダンススクールだ。
新スクールは、濃いハチミツ色の新しい石で造られていて、入口のドアもお洒落な作りだった。
「わあ。凄いね!」
レイは興奮したように声を上げる。
敷地内の駐車場に車を停めると、ジャスティン先生が満面の笑みで出迎えてくれた。
「やぁヒルス、レイ。よく来てくれたね!」
ジャスティン先生の笑顔は今までにないほどに輝かしい。綺麗にスーツを着こなし、今日は珍しくリーゼントヘアにしていた。
「先生、本当に立派なスクールですね! 私驚きました──」
車から降りてレイは楽しそうに先生の元に駆け寄るが、急に黙り込んでしまった。
俺も彼女の後を追うように車から降りるが、その瞬間に笑顔を浮かべることが出来なくなってしまった。
「ヒルス! 久しぶり。会いたかったよ!」
ジャスティン先生の後ろからひょっこり顔を出したのは──絶対に会いたくない相手だった。
顔を見ただけで胸糞悪い。
俺の頬はこの上なく引きつってしまっているだろう。
まさか。どうしてこいつが。
「……あんたも来てたのか。メイリー……」