サルビアの育てかた
「少しお伺いしたいことがあるんですけどよろしいですか?」
「何ですか」
「ヒルスさんとレイさんはどういう関係なんですかね」
「ん? どういう関係……?」

 急な質問に、俺は困惑してしまう。しかしここは世間的な関係を伝えるしかないだろう。
 俺は静かに答える。

「どうって……兄妹ですけど」
「ふーん。本当ですか?」

 男はニヤリと笑い、両腕を組んで俺のことをじろじろと眺めてくる。
 男のそんな態度に苛ついた。眉間に皺を寄せながら俺は言い返す。

「はあ。何なんですか、あんた」

 男は気にする様子もなく、不適な笑みを浮かべるんだ。

「兄妹にしては随分、ラブラブですよねー」
「……はい?」
「これ、どういうことなんですか? 教えて下さいよ」

 男は手に持っていた鞄から、おもむろに何かを取り出した。それを目にして、俺は言葉を失った。

 一体、どういうことだ……?

 男の手の中には、一組の男女が街で抱き合ったり腕を組んだり、キスをしたり──明らかにする隠し撮りをされたであろう写真が何枚もあった。
 
その写真に写っている男女とは、間違いなく俺とレイだったんだ。
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