サルビアの育てかた


 夕飯を一人で過ごすのは久し振りだ。寂しいというよりも、何となく懐かしい気持ちだった。
 一人暮らしをしていた時期は、毎晩一人きりでご飯を食べるのが当たり前だった。自炊も頑張っていたけど、今日はどこか適当にパブやファストフードにでも寄って簡単にご飯を済ませようかな。

 そう思いながら繁華街をあちこち歩き続ける。

 少しずつ夕陽が傾いてきた頃──突然、後ろから俺の肩を軽く叩いてくる人が現れたんだ。

「こんにちは。あのー、ダンサーのヒルス・グリマルディさんですよね?」
「……はい」

 振り返ると、そこには見慣れないスーツ姿の男が立っていた。誰だろう。ファン……という雰囲気ではないし。

 見知らぬ男はどこか作り笑顔のようなものを俺に向けてくる。

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