サルビアの育てかた



 一人で悩むのには限界がある。彼女の過去について知っているのは、シスターしかいない。 

 数日後。
 仕事を終えたあと、俺は一人でシスターに会いに来ていた。

「──シスター、すみません。突然来てしまって」
「いいんですよ、いつでも待っていますから。レイちゃんは今日はいないのですか?」
「はい。レイは今日、収録の為の衣装決めやインタビューなどで忙しいので。遅くまで掛かるそうです」
「そうですか」

 シスターは優しい笑みを浮かべている。とても嬉しそうな、尊い感情が溢れるような表情なんだ。

 無数の蝋燭が教会内を照らし、ここに来るといつも心が安らぐ。

 シスターは祭壇に向かって祈りを捧げた。

「あのレイちゃんが、プロのダンサーとしてこれから頑張っていくんですね。とても喜ばしいです」
「ありがとうございます。実はその件についてなんですが……」

 シスターは俺の顔を見て、首を傾げる。

「どうかされましたか?」
「実は、レイの過去がマスコミ関係の人に知られてしまって。記事にされてしまうかもしれないんです」
「何ですって?」

 シスターの顔は見る見る青ざめていく。
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