サルビアの育てかた
とある小さな公園に通りかかると、昼間なのに人は全くいなくて貸切状態だった。俺とレイは疲れた足を少し休める為に並んでベンチに腰掛ける。
目的もなくただのんびり彼女と過ごせるひとときが、俺にとっては幸せそのもの。
「私ね、早く大人になりたかったの」
俺の肩にそっと頭を預けてくるレイは、ぽつりとそんなことを口にする。
彼女の肩を優しく抱き寄せながら、俺は静かにレイの話に耳を傾けた。
「幼い時、ちょっとだけ悔しかったの。ヒルスは私よりも遥か遠くにいるような気がして。歳が離れているだけじゃない。ヒルスは強くて優しくて逞しくて頼りになるお兄さんで、私はいつも守られているばかりだったから。でも今思うと……当たり前だよね。私が十歳の時にヒルスは十七歳だもん。だけど今は、何となくヒルスに追いついた気がするの。二十歳と二十七歳だと、文句なしの大人の男と女だよね」
はにかみながらレイは俺の右手を握ってくる。
初めて聞かされた彼女の想いに、俺は目を見張る。
たしかに、レイの言う通りかもしれない。彼女が小さい頃、俺はいつも彼女の盾になろうと二歩も三歩も前へ突っ走っていた。だけど気づけば、いつの間にかレイは隣まで追い付いてきて、俺に活力を与えてくれる存在に変わっていたんだ。
レイのあたたかい手に自分の指を絡ませ、密かに笑う。この柔らかな手の感触がたまらなく好きだ。
澄んだ瞳を俺に向け、彼女は恥ずかしそうにこんなことを口にする。
「ヒルスは、いつから私のことを好きになってくれたの?」
「えっ?」
突然の質問に、俺は言葉を詰まらせる。
……いつから?
目を横に向け、思考を巡らせる。
(そういえば、俺はいつからレイのをこれほどまで想うようになったんだ?)
ううん、と無意識に唸り声を出し、過去を振り返ってみるもこれと言ったきっかけがないように思えた。
目的もなくただのんびり彼女と過ごせるひとときが、俺にとっては幸せそのもの。
「私ね、早く大人になりたかったの」
俺の肩にそっと頭を預けてくるレイは、ぽつりとそんなことを口にする。
彼女の肩を優しく抱き寄せながら、俺は静かにレイの話に耳を傾けた。
「幼い時、ちょっとだけ悔しかったの。ヒルスは私よりも遥か遠くにいるような気がして。歳が離れているだけじゃない。ヒルスは強くて優しくて逞しくて頼りになるお兄さんで、私はいつも守られているばかりだったから。でも今思うと……当たり前だよね。私が十歳の時にヒルスは十七歳だもん。だけど今は、何となくヒルスに追いついた気がするの。二十歳と二十七歳だと、文句なしの大人の男と女だよね」
はにかみながらレイは俺の右手を握ってくる。
初めて聞かされた彼女の想いに、俺は目を見張る。
たしかに、レイの言う通りかもしれない。彼女が小さい頃、俺はいつも彼女の盾になろうと二歩も三歩も前へ突っ走っていた。だけど気づけば、いつの間にかレイは隣まで追い付いてきて、俺に活力を与えてくれる存在に変わっていたんだ。
レイのあたたかい手に自分の指を絡ませ、密かに笑う。この柔らかな手の感触がたまらなく好きだ。
澄んだ瞳を俺に向け、彼女は恥ずかしそうにこんなことを口にする。
「ヒルスは、いつから私のことを好きになってくれたの?」
「えっ?」
突然の質問に、俺は言葉を詰まらせる。
……いつから?
目を横に向け、思考を巡らせる。
(そういえば、俺はいつからレイのをこれほどまで想うようになったんだ?)
ううん、と無意識に唸り声を出し、過去を振り返ってみるもこれと言ったきっかけがないように思えた。