サルビアの育てかた
「怖い思いをした後に、ヒルスは私をギュッと抱きしめてくれたでしょう? あの瞬間から、お兄ちゃんだったはずのヒルスが、私の中で特別な人になっていったの」
「……レイ」

 もう、何も言うことはない。こんなに素直に自分の気持ちを語ってくれる彼女が愛おしい。
 もっと彼女に近づきたい。胸が苦しくなるほどに。抱き締めるだけじゃ足りないよ。キスを何度交わしても愛が止まらない。

 黄色い木の葉が舞い散る公園のベンチで、俺とレイは夢中になって熱い抱擁と愛を重ねる。それだけではどうにも溢れる想いを処理しきれない。

 これまでもこれからも、俺はきっとレイのそばに居続けるのだろう。改めてそう思った秋の昼下り。
 少しは心の疲れも取れたと思ったんだ。
< 661 / 847 >

この作品をシェア

pagetop