サルビアの育てかた
──ジャスティン先生から話は聞いた。
あの女は、ジャスティン先生に問い詰められるとレイのプライベートをマスコミに売ったことをあっさりと認めたそうだ。
ジャスティン先生はスクールでのレッスンが終わったあと、事務室にメイリーを呼び出した。
「君はどうしてこんな真似をしたのかな。話を聞かせてくれるかい」
終始メイリーは仏頂面を浮かべていた。目も合わせずに低い声で事情を説明するメイリーの態度に、ジャスティン先生でさえ気分が悪くなるほど。
「……悔しかったんです。あの子はみんなから好かれていて、ダンスもセンスが良くて才能がある。あたしなんか、どんなに努力していたって認めてもらえない」
「認めてもらえない? どうしてそんな風に思うんだい? 君のダンス、僕は好きだよ。彼女に負けないくらい今まで努力してきたじゃないか。僕も他のインストラクターや生徒たちも、君のダンスは素晴らしいと認めているよ」
ジャスティン先生がそんな風に言うが、メイリーは眉間に皺を寄せて歯を食い縛る。
「だけどうちの親は、全くあたしの努力を認めてくれません。大会で常に一位じゃないと意味がないって。あたしが今まで苦労してきたのは何だったのかなぁって思うと悲しくなっちゃって……」
先生は小さく息を吐いた。
「君も苦しい思いをしてきたんだね。それは気の毒に思うよ。でも、レイは関係ないし何にも悪くないよね」
メイリーは、肩を微かに震わせる。この時のメイリーの表情からは、嫉妬心のような醜い心情が滲み出ていた。
あの女は、ジャスティン先生に問い詰められるとレイのプライベートをマスコミに売ったことをあっさりと認めたそうだ。
ジャスティン先生はスクールでのレッスンが終わったあと、事務室にメイリーを呼び出した。
「君はどうしてこんな真似をしたのかな。話を聞かせてくれるかい」
終始メイリーは仏頂面を浮かべていた。目も合わせずに低い声で事情を説明するメイリーの態度に、ジャスティン先生でさえ気分が悪くなるほど。
「……悔しかったんです。あの子はみんなから好かれていて、ダンスもセンスが良くて才能がある。あたしなんか、どんなに努力していたって認めてもらえない」
「認めてもらえない? どうしてそんな風に思うんだい? 君のダンス、僕は好きだよ。彼女に負けないくらい今まで努力してきたじゃないか。僕も他のインストラクターや生徒たちも、君のダンスは素晴らしいと認めているよ」
ジャスティン先生がそんな風に言うが、メイリーは眉間に皺を寄せて歯を食い縛る。
「だけどうちの親は、全くあたしの努力を認めてくれません。大会で常に一位じゃないと意味がないって。あたしが今まで苦労してきたのは何だったのかなぁって思うと悲しくなっちゃって……」
先生は小さく息を吐いた。
「君も苦しい思いをしてきたんだね。それは気の毒に思うよ。でも、レイは関係ないし何にも悪くないよね」
メイリーは、肩を微かに震わせる。この時のメイリーの表情からは、嫉妬心のような醜い心情が滲み出ていた。