サルビアの育てかた
「そんなの、レイちゃんの本心なわけないじゃない!」
「……何?」
「色んな問題が起きすぎてる。レイちゃんはヒルスのことを想って自分の気持ちを押し殺してるようにしか見えないわ。あなただって、そうでしょ? 想いが強すぎて考えすぎて、どうすればいいか分からなくなってるわよね? 本当はレイちゃんを手放したくないくせに」
「そ、それは……」

 思わず俺は口ごもってしまう。
 今言われたことは全部否定できない。

 俺がどぎまぎしていると、フレアはまた呆れたような顔を浮かべるんだ。

「あなたたち、本当に最後まで焦れったいわね!」
「怒るなよ……」
「怒ってるわけじゃないわよ。見ててイライラしてるだけ。せっかく長年の想いが通じ合って安心したと思っていたのに。今度は婚約前にグダグダ始まるなんて! 見てるこっちがストレス溜まるわよ」

 語尾を荒らげるフレアを前に、俺は身を縮める。
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