サルビアの育てかた
 言葉を詰まらせ、レイの息が荒くなっていくのが分かる。次に流れるメッセージを聞いて、俺の心臓が一瞬でも止まりそうになってしまうんだ。

『今、あの女が……悪魔がいる』

 悪魔がいる? どういうことだ!?
 耳を疑いたくなるほど、動悸がした。

『何度も何度も、呼び鈴を鳴らしてくる。怖いよ……どうすればいいの。たしかにドアの向こう側に、あの悪魔がいるの……!』

 嘘だと思いたかった。言葉の意味が一瞬分からなくなってしまう。
 あの女がどうして? なぜ、部屋の番号を知っているんだ?

 こんな悪趣味なジョークで、レイが驚かせようとしているのではないかと俺は思い込もうとした。
 だけど、だけど。本当に最悪な事態が起きてしまったら。恐ろしい方向に考えれば考えるほど、呼吸が乱れていく。
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