サルビアの育てかた
「レイ、手出して」
「……うん」
差し出された小さな手を包み込み、俺はそっと彼女の薬指にピンクに輝く贈りものをはめていく。
「ぴったりだ」
「……本当に。凄く綺麗だね」
レイは、うっとりした表情で指輪を眺めている。そんな様子が堪らなく愛おしい。
「本当に……綺麗だな」
レイの顔をじっと見つめながら、俺は自然とそんなことを呟いた。
【永遠の愛】という言葉を、俺は一度でも失ってしまいそうになっていた。
だけどやはり──俺のそばに彼女がいてくれるだけで、この大切な想いを打ち消してはいけないのだと改めて実感した。
もう大丈夫だと思っていた。彼女の世界にいるだけで、明るい気持ちになれるから。
俺たちにはこの先、辛いことなんて何もないんだと錯覚してしまうほどに、俺の心は幸せに満ち溢れていた。