サルビアの育てかた
 思わず彼の方を振り向くと──ヒルスも私と同じように驚いた顔をしている。それから空を見つめたまま、笑みを溢してゆっくりと頷いた。

 気のせいなんかじゃない。本当の本当に、私たちを見守ってくれていたんだね……。
 家族に想いが届いていたんだと思うと、胸がたちまち熱くなる。

 私の手を、ヒルスはギュッと握り締めた。大きくて優しいぬくもりが心の奥まで癒してくれる。

「そろそろ時間だ。行こう」
「うん……!」

 あたたかい太陽の光が、まるで私たちを見守るかのように照らし続けていた。
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