国の擬人化達との同居生活
第五章、フランスくんとイギリスくん
文化祭が終わり、家に帰るとお腹はもうペコペコだ。
今日の夜ご飯担当はイギリスくんとアメリカくんの予定だったんだけど、片付けとかで遅くなるから台湾くんが変わってくれたんだ。
助っ人としてカナダくんもいるらしくて、、、。
部屋着に着替えてからリビングに顔を出すと、机にはお皿が並んでいて、タイミングぴったりだった。
台湾や中国の料理は基本的に大皿から、自分が食べたい物を小皿に移して食べるスタイル。
机に鎮座しているのは、蒸し器に入った小籠包(しょうろんぽう)
そして、あっさりした味の鶏肉のスープ。
いただきますの挨拶をして、小籠包を頬張る。
「美味し〜!」
目を輝かせる私に、当番の台湾くんはホッとした顔。
「、、、カナダの料理はどこなんだい?」
アメリカくんがドンッと置かれている冷えたコーラを飲みながら口を開く。
「あぁ、僕はメープルタフィを作るつもりですわ」
「メープルタフィ?」
首を傾げる。聞いたことない名前だ。
「うん、カナダの郷土料理なんですわ」
みんなのお皿が空になった頃、カナダくんは日本くんを連れてカナダに行ってしまった。
そして五分くらい経った後、バレットに雪を詰めて帰ってきた。
「「雪、、、!?」」
イタリアくんとタイくんが声を揃える。
「山岳地帯ではこの時期でも雪が降るんですわ。スキーもできるくらいですわよ」
カナダくんは私を手招きすると、私に木の棒を渡してきた。そしてカナダくんはカナダ産の純度百パーセントのメープルを弱火で煮詰める。
そして、鍋で煮詰めた黄金色のメープルシロップを雪の上に垂らすと、部屋いっぱいに甘い香りが広がった。
「出番ですわよ」
「うん!」
そして、私は渡された木の棒でメープルを端からクルクル巻き取っていく。
雪の冷たさで固まって、メープルキャンディが完成。
「、、、あ、これいつもカナダくんが食べているやつだ!」
「よくお気付きで」
カナダくんはニコリと笑い、メープルタフィを私に差し出してきた。
「手伝ってくれたお礼ですわ」
初めて食べるメープルタフィは、とても美味しかった。
(美味し〜!)
それからみんなでメープルタフィを食べていると、ロシアくんに肩を叩かれた。
「菜羽ちゃん、これ落ちてたよ」
差し出された手のひらに乗っていたのは、フランスくんがくれたユリのヘアピンだった。
「あ。ありがとう!」
ヘアピンを受け取り、髪に付ける。
「マリア様、似合っています!可愛いです!!」
イタリアくんが顔を輝かせ、私の手を握る。
「しかもユリの花は聖母マリアを象徴する花!あぁ、マリア様に一番似合う花ですね!」
イタリアくんはとても嬉しそうに笑う。
すると、その様子を見ていたイギリスくんが思い出したように行った。
「、、、それ、フランスから貰ったのか?」
「え、うん」
イギリスくんはその返事を聞いて、「そーかよ、、、」と目を伏せる。
どうしたんだろう?
「、、、フランス、あの魔女のことまだ―――」
その時、イギリスくんの言葉を遮るように、「おい」と低い声が聞こえた。
フランスくんだった。
「あの子の名前をお前が口にするな」
冷えた声。少ししか聞いていないのに、部屋の気温が氷点下になったように感じた。
イギリスくんは慌てて「、、、今のは、言い過ぎた」と言おうとしたら、急にいつもの笑顔に戻ったフランスくんがにぱっと笑う。
「なーんちゃって」
「は?」
イギリスくんは度肝(どぎも)を抜かれたかのように目を点にしていた。
「びっくりした〜?何百年前の話だと思ってるんだよ〜。そのアホ面が見れて満足だから、もう部屋に戻って寝るわ」
「、、、フランス、新しく買ったパック届いたから、試してみる説出てる?」
「おー、韓国のパックありがたく使わせてもらうわ。ありがとな」
韓国くんが投げたパックを持って、そのままリビングから出て行ってしまった。
「、、、どうしたんでしょう?フランスくん」
「イギリスさんの言っていた魔女と何か関係があるのでしょうか、、、?」
日本くんとタイくんが意味深そうに呟く。
「、、、今のは本気だったな、、、」
イギリスくんはバツが悪そうに髪を掻き上げた。
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