君を大人の果実とよぶ。
渚が注文用のタッチパネルを手にしたので、
京子はハイボールのおかわりを頼んだ。
渚が注文操作をしながら続けた。
「あの子、学生時代から先生とか医者とかと
噂ありましたよね」
「知ってるの?」
「東南大ですよ?長澤さんも」
「え、被ってるってこと?」
京子も、もちろん渚も
東都南大学の看護学部の卒業だ。
「千秋さんが4年生のときの、1年生、かな」
「知らなかった~」
「でしょうね」
同じ看護学部でも、1年と4年なんて
ほとんど関わることはない。
だが、ふと気づいて京子は目線を宙に向けた。
「え、じゃあそんな年下じゃないってこと?
めちゃくちゃ若いなって思ってたんだけど」
二十歳ぐらいかな、って。
という言葉に、渚は冷静に続けた。
「二十歳なわけはないけど、まあ、若いですよね。
見た目とかだけじゃなくて、言動とか、全部が」
京子は納得するように頷いた。
ここまできたら、可愛さは年齢ではない。
その人柄を表すものすべてが、
澪菜の可愛さを作り上げているのだろう。
深いことを言っているようで
大したことが言えない程には、
京子はいい感じにほろ酔い気分だった。
「じゃあ次、レベル2ですね」
2人は届いたハイボールと引き換えに、
空のグラスを店員に渡した。
姿勢を改めて、二度目の乾杯。
ハイボールは、先程よりも濃く感じた。
Lv.2『 美しさには勝てない 』