君を大人の果実とよぶ。
看護師像に囚われない、明るい茶髪。
ショートカット寄りの短い髪だが、
女性らしさが漂っていた。
『おー、岡さん!担当だったの?』
『そうです~
あ、お願いしまーす』
そう言って、別の外回り看護師の隣に腰かけた。
病棟看護師と手術室看護師は、同じパソコンで
カルテを見ながら、情報を共有する。
その間、待ちぼうけになった牧は、
やはり京子の隣に座ってきた。
『ねぇねぇ、きょんちゃんっ!
最近美味しいピザのお店見つけたんだけど、
そこが隠れ家的な感じでちょ~雰囲気いいの!
よかったら…』
『行きません』
京子は記録の続きをしながら答えた。
牧の方を見るほど暇じゃないのだ。
『そんなー…絶対きょんちゃん気に入るよ?』
『どうせ可愛いお姉ちゃんがいる店なんでしょ』
『ちがうよ!
イケおじなマスターが一人でしてるとこ!』
『私ピザ、好きじゃないんで』
『うっそだー!』
嘘だ。
この前も渚とピザ目当てに軽井沢まで足を運んだ。
『この前軽井沢にピザ食べに行ってなかった!?』
『…なんで知ってるんですか』
さすがに気持ち悪すぎません?
京子が引いた目で隣を見やると、
『きょんちゃんのことで
僕が知らないことはないんだぞぃっ!』
『おえっ』
京子はわざと舌を出して見せた。