君を大人の果実とよぶ。
工藤が事情を説明する前に、
牧は工藤のそばでしゃがみ込んでいる女子を見て
目を見開いた。
「きょんちゃん!?」
なに、どーゆーこと!?
と大興奮の上司に、工藤は渚とのやり取りを伝えた。
牧は「なるほど」と適当に呟いて言った。
「わかった。
工藤君、そこをどきなさい」
「…はい?」
「僕がきょんちゃんを送り届けるぅ!」
「いや、先生には無理でしょう」
京子に飛びかかろうとする牧を、
工藤は冷静な言葉で留めた。
「ん?何故だい?」
工藤がチラッと牧の隣に視線を送る。
そこには、牧の腕にがっつり絡みつき、
胸を押し当てている恵がいた。
「さすが工藤先生。空気が読めるみたい」
長い睫毛を揺らして、妖美な視線を牧に向ける。
「いや、でも…」
牧がめげずに続けると、
京子が俯いたままゆらゆらと立ち上がった。