君を大人の果実とよぶ。
色付き眼鏡越しに、瞬きも忘れて集中している。
もじゃもじゃ頭も、
鋭い視線も、
細長い体も、
何一つ魅力に思えるところなんてないのに。
なぜこんなにも、この男は人気なのか。
なにが人を寄せ付けているのか。
なぜ私も、見続けてしまうのか。
顎に手を当てて、やや猫背になりながら
モニター画面を見下ろす姿は、
なぜこんなにも、尊敬の気持ちが湧き上がるのか…
不思議だった。
「牧せん…」
無意識に口を開いたところで、
「仁さん?」
と、牧の奥から声が聞こえた。
やけに艶めいた、綺麗な声だった。