君を大人の果実とよぶ。
牧が顔を向けたのは、恵の方だった。
が、意識がこの世に戻ったのだろう。
例のセンサーも正常反応だった。
くるりと勢いよくこちらを向いたかと思うと、
頬を赤らめて満面の笑顔だ。
「きょんちゃんっ!」
「…あ、どうぞ、そちらで」
京子が恵の方にどうぞ、と手を差し出すと、
恵はにっこり頷いた。
わかってるじゃない、とでも言うように。
だが、牧はふりふり揺れる尻尾をしまうと、
姿勢を正して珍しく医者の顔を見せてきた。
「きょんちゃん、この人、どう思う?」
そう言って術野のモニター画面を指さす。
「どう思うって?」
京子が口を開く前に、そう反応したのは恵だった。
看護師歴としては恵の方が長い。
それなりのプライドもあるのだろうか。
牧はちらっとこちらに視線を向けてから、
恵の方を見て言った。