君を大人の果実とよぶ。



「きょんちゃん…」


一歩京子に近づく。

牧が動いたことで、背後の小窓から
僅かな明かりがお互いの顔を照らした。

見えたその腹立たしい顔に、
京子は気持ちを抑えられそうになかった。

なんでそんな心配そうな表情ができるのか、
些か不思議でたまらなかった。


「わからないんですか…」

「え?」


京子は牧を思い切り睨み上げた。


「わからないんですか!?
 毎回毎回同じ光景見せつけられて、
 もううんざりなんです。
 私に近づいてこないで!」


声が、手が、体が震える。

それでも足に力を入れて、
今度は部屋の反対側のドアから
クリーンルームに出た。

そしてそのまま更に奥の中央材料室に続く道へ
逃げるも、牧はまだついてきた。


「待って」


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