君を大人の果実とよぶ。



予定時間8時間の牧の手術は、
進行がかなり押していた。

工藤が受付で術野画面を見ている隣に
京子と渚が並んでいると、
他の看護師もわらわらと集まってきた。


「開始5時間の時点で、再建に踏み切れていません。
 門脈再建もあるのに…珍しいですね」


工藤がそう言うと、
京子の後ろにいたベテラン看護師の細谷が言った。


「器械出しがついていけてませんね」

「テンポが崩れてますね」


干場がそう言うと、渚が首を傾げた。


「黒川さんって、門脈再建できるんですか?」

「門脈どころか、このオペ自体まだ早いだろ」

「なんでつけたんですかー?」


渚が遠くに座っていた主任に話題を振る。


「希望してたから」


主任のその一言で、
「あぁ」と誰もが納得した。


「いやいや、納得しちゃダメでしょ」


渚が乗り突っ込みをするも、
誰もリアクションしなかった。



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