君を大人の果実とよぶ。
後輩たちの話を聞いていた細谷が、
「まあ、」とまとめるように言った。
「そのうち先生たちの方から、
ヘルプが入るでしょう。
この感じならね」
細谷の予言は的中した。
1時間後、手術室2番から受付に
スピーカーで連絡が入った。
『千秋さんいますかー』
牧の手術についている、
外回り看護師の声だ。
「はーい」
カルテを読んでいた京子は
パソコンを見たまま返事をした。
『2番にヘルプお願いしまーす』
「私、ですか?」
『浅野先生がお呼びですー』
「あ、はーい」
その場にいた皆の視線が京子に集まる。
「ほら来た」
なぜか渚が嬉しそうに目を細めてくる。
「私、すごく感じ悪いやつにならない?」
「浅野先生だから大丈夫ですよ」
「えぇー」
なんとなく嫌な予感がしたが、
京子は渋々、重い足取りで2番に向かった。