君を大人の果実とよぶ。



「ミルクティーは?」

「あ、忘れちゃった」


初めて入った(正確には入れてはいないが)、
京子の家に、柄にもなく緊張した。


あんまり奥を見ようとしたら、
嫌われちゃうかな、なんて…


「……」

「んー?そんな見つめてきてどうしたの?」

「…何か、あったんですか?」

「ぇ…」


いつも通りの声色を作れたと思っていたが。

思わぬ京子の発言に、動揺を隠せなかった。


「どうして、そう思うの?」

「べつに」


京子は壁に背を預けて言った。


「なんかいつもと違うなって思っただけです。
 気のせいでした?」


オレンジ色のライトに照らされて、
綺麗な艶髪がキラキラと輝いている。


「…ううん。気のせいじゃない」



< 94 / 107 >

この作品をシェア

pagetop