君を大人の果実とよぶ。



玄関の段差分、身長差が狭まっていた。

牧は京子の肩に顎を乗せて、
幸せを嚙みしめた。


「ごめんね、きょんちゃん」

「いいですよ、もう」


二人の鼓動が、重なり合うのを感じていた。


「サイテーなんだ」

「そんなのとっくに知ってますよ。
 …私こそ、ごめんなさい」

「ううん、君は悪くない」


愛してる。

そう言いたい。


君が欲しい。

僕のものになってほしい。

一生、ずっと、死ぬまで、一緒にいたい。


だがたとえ、今そう伝えても、
本気にする女性(ひと)ではない。

自分が魅了されているのは、
そんな千秋京子という人物だ。


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