【番外編】孤高の弁護士と誓いの光 — 未来へ紡ぐ約束

味噌ラーメンと、ふたり暮らし

キッチンに立つと、ふわっと味噌の香りが鼻をくすぐった。

「えーと、次はもやしと白菜入れたらいいんだよね?」
隼人が不安そうに鍋を覗き込みながら、おたまを持っている。

「うん、でも先にひき肉炒めちゃおうか。焦げないようにね」
「はいはい、任せて。焦げるまで炒めなきゃいいんだろ?」


(その発言がもう不安しかない……)
思わずくすっと笑ってしまった。

同棲を始めて、まだ数日。
こうして一緒にご飯を作るなんて、夢みたいだった。

「わかめって、どのタイミングで入れるの?」
「煮すぎると溶けちゃうから、最後のほうにね」
「なるほど。勉強になります、先生」

「ふふ。隼人、ちゃんと味噌ラーメンにたどり着けるかな」
「俺は最初から紬のサポート要員なんで」
「堂々と言わないの」

それでも、慣れない手つきで炒め物を頑張る隼人の姿は、妙に可愛い。

(ほんとは手伝わなくてもいいのに、隣にいてくれるだけで嬉しいんだ)

スープの香りがさらに広がって、ほかほかの湯気が二人の間を包んだ。

「紬、なんか今日すごく楽しそう」
「うん。だって、一緒にご飯作るの楽しいよ」
「……俺も」
隼人がぼそっと言って、ほんの少し照れくさそうに目をそらした。

(この人と暮らす日常が、こんなにあたたかいなんて。きっと、前の私じゃ想像できなかった)

「そろそろ麺、茹でる?」
「よっしゃ、茹で担当、張り切ります!」

「張り切るのはいいけど、タイマー忘れないでね」
「……マジか。そこからか」

そんなやり取りも、全部ぜんぶ、愛おしかった。
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