【番外編】孤高の弁護士と誓いの光 — 未来へ紡ぐ約束
ディナーを終え、ミニブーケをそっと胸に抱いたまま、紬は隼人と並んでホテルの部屋へと戻ってきた。

鍵を開けて入った瞬間、昼間見たときとは違う、ほんのり灯りを落とした室内が迎えてくれる。

カーテン越しに月明かりが差し込み、白を基調とした室内をやさしく照らしていた。

「ふふ、ちょっと夢みたい……」
紬は、ベッドサイドにそっとミニブーケを置きながら呟いた。

「夢じゃないよ。現実、でしょ?」
隼人は後ろから抱きしめるように腕を回し、紬の肩にあごを乗せた。

「……うん、でも、まだ信じられない」
紬はぽつりとそう言って、左手の薬指にきらめく指輪を見つめる。

「いい?何度でも言うけど」
隼人の声は、ひどく優しかった。
「俺は、紬が好きだ。ずっと一緒にいたいって思ってる。――だから、今日だけじゃなくて、明日も、明後日も、これからずっと、俺の隣にいて」

その言葉に、紬は静かに頷いた。

「うん……ずっと、いる。私も、隼人のこと、いっぱい好き」

再び顔を寄せて、今度はキスが自然と重なる。
昼間の強さとは違う、穏やかで、温かい、確かめ合うようなキス。

やがて、そっと唇を離した隼人が、微笑みながら言った。
「今夜は、ゆっくり甘えていい?」

「……うん、私も。今日は、隼人にいっぱい甘えたい」
そう言って、紬は少し照れくさそうにしながらも、両腕で隼人の首にしがみついた。

ベッドに並んで腰を下ろすと、隼人は毛布をかけて、そっと紬を抱き寄せた。
彼の鼓動が、まるで子守唄のように耳に心地よく響く。

「隼人……ありがとう。プロポーズ、嬉しかったよ」

「俺のほうこそ、受けてくれてありがとう。世界で一番、大事な人に」

その夜、二人は何度も「好き」を重ね合いながら、いつまでも優しく寄り添い合っていた。
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