【番外編】孤高の弁護士と誓いの光 — 未来へ紡ぐ約束
会議を終えた後、エレベーター前でスマホを確認していると、背後からそっと声をかけられる。

「……一条先生」

振り返ると、どこか見覚えのある女性社員。
中原だった。高森案件で何度か顔を合わせたことがある。

「このたびは、おめでとうございます。紬から少しだけ、聞いてました。あの……突然ですみません。明日、お休みですよね?」

隼人が頷くと、中原は少し緊張した様子で続けた。

「実は……紬の友人のあかりっているじゃないですか。彼女と私とで、明日の夕方に紬を連れ出してサプライズで食事会を開こうと思ってて。
で、よかったら一条先生にも、少しだけ協力してもらえたらって……」

隼人は思わず柔らかく笑った。
「もちろん、喜んで。彼女のためなら、何でも協力しますよ」

中原の顔がほっと緩んだ。

「ありがとうございます。あ、場所や時間の詳細はまたメッセージしますね!」

そう言ってペコリと頭を下げると、彼女は軽やかに去っていった。

隼人は、再びスマホの画面に目を落としながら、小さく笑った。

(サプライズ、か……。あの子、どうせ驚きすぎて口ぽかんって開けるんだろうな)

彼の心の中には、すでに指輪をはめた小さな手と、それを包む未来が、はっきりと描かれていた。
< 81 / 96 >

この作品をシェア

pagetop