幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】

「食事に連れて行ってあげようと思ったのにな」

「いえ。私には仕事がありますから」

びしっと断ったのに先輩達が横から口を挟んだ。

「うちの会社、今日はノー残業デイなんですよー!梶井さん、一緒に食事でもどうですかー?」

「へぇー。そうなんだ。あれ?もしかして、奏花ちゃん。嘘ついた?」

梶井さんの視線が痛い。
すいっと目をそらすと梶井さんに腕をつかまれた。

「あ、あの……」

「嘘はよくないなあ。さすがに傷つくよ」

有無をいわさず会議室から連れ出された。

「俺、奏花ちゃんに嫌われるようなことした?」

「い、いえ。その」

どうしようと思っていると意外なところから助けがやってきた。

「待ちなさい!梶井さんと一緒に行くつもりなら、深月にあなたの浮気を報告するんだからねっ!」

「う、浮気!?」

「恵加ちゃん、残念。深月と奏花ちゃんは付き合ってないから浮気じゃない」

梶井さんの桑地さんに向けられた目は冷たい。
勢いのよかった桑地さんもさすがにたじろいでいた。

「それに人は誰のものでもない。自由だ。そうだろう?」

どろりとした重たい声。
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