幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
もう私達は付き合っているんだから、そうは言わせないわよ!

「それで梶井(かじい)がどうして奏花の職場に?」

「え?」

「桑地と食事に行くことを知っていたのはあの日、周りにいた人間だけだ」

「こういうことだけ鋭いわね!」

「奏花のせいで危険を察知しやすいんだ」

「なんで私のせいよっ」

「悪い虫がつかないように昔から神経をとがらせていたからかな」

違うところに神経をつかいなさいよ……
得意げに言うことでもないわよ?
スパゲッティをくるくると巻きながら、はぁっとため息をついた。

「会社の仕事依頼がたまたま梶井さんだったっていうだけ。桑地さんもいるわよ」

「たまたまなわけない。わざと引き受けたと思う」

むうっと逢生がフォークを加え、不満そうにしていた。

「わざとでも仕事なんだから仕方ないでしょ」

スパゲッティを食べ終わるとプリンを残したまま、逢生がカウンターチェアから立ち上がった。

「逢生?」

部屋に行き、戻ってくるとコンサートのチケットをバンッとテーブルに置いた。
『チェリスト梶井(かじい)理滉(みちひろ)とクラシック界のプリンス達』
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