幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
釘を指すために宰田は渡瀬と来たということはわかった。

「約束はできない」

渡瀬がゴホゴホとサンドイッチを喉につまらせていた。

「ど、どうしたんですか?なにか悪いものでも食べました?フラれたのに諦めないんですか?」

「多分、あの子は俺にとって意味のある存在だから簡単に諦められない」

諦めて欲しいはずの宰田は困った顔をしながらも笑っていた。
宰田は人の気持ちまでどうこう言うような人間じゃない。
ちゃんと踏み込めるラインを知っている。
渡瀬のように。

「宰田。わかってるんだろ?あいつと俺は同類だ」

唯一の違いがあるとするなら―――

「恋愛に関して口を挟む気はありませんが、奏花さんが深月さんを選んだのなら、彼女の意思を尊重してあげてくださいね」

「わかっている」

そんなに飲んでいるわけでもないのに体がだるい。
渡瀬は珍しく心配そうな顔をしていた。

「梶井さん。最近、ちゃんと眠れてないんでしょう?顔色が悪いですよ。もう帰ったらどうですか」

「お子様じゃあるまいし、心配しなくても大丈夫だ」

渡瀬には隠せないか。
付き合っていた女と全員別れてから、寝不足だった。
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