幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
以前、彼女が使っていた香水と違う。

「どれだけ独占欲が強いんだよ」

不快にもほどがある。
自分がこんな余裕のない男だとは思わなかった。
眠っている女に手を出すほど馬鹿な男じゃない。
それに―――

「他の男の名前を呼ぶなよ……」

俺といる時くらい俺の名を呼んでくれよ。
あいつといる時間より、ずっと少ない時間だろう?
この胸の痛みは熱のせいだ。
熱が下がれば、また俺は元に戻れる。
ものわかりがいい大人の男に。
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