幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
そうかもねと頷いている。
逢生もそれは少し思ったのか、黙った。
「そろそろ客席に座らないとね。それじゃあ、がんばってね」
「わかった。はい」
うん?はい?
逢生は私の目の前で目を閉じて待っている。
ま、まさかっ!
この流れは。
「見てないからどうぞ」
「逢生のやつ、調子に乗ってるなー」
渋木さんと陣川さんがそんなことを言ったけど、二人の前でできるわけがない。
三人の期待がビシバシと感じる。
けど、私は―――
「ふざけてないで真面目にやりなさいっっ!始まるまで瞑想でもしてなさいよっ!!」
怒鳴って楽屋のドアをバンッと閉めた。
はー!なんなの、とんでもないわね。
逢生ときたら、海外じゃあるまいし、人前でキスなんてできるわけないでしょー!
しかもあの二人、一緒になって煽るスタイルだし。
止めなさいよ!
怒りながら客席に行くともう席は満席。
この間より年齢層が高く、クラシックコンサートになれているのか、双眼鏡もばっちり準備し、プログラムも折り曲がったり汚れることがないようにクリアファイルを持参している。
膝の上にはレース付きのハンカチタオル。
まちがいない。
逢生もそれは少し思ったのか、黙った。
「そろそろ客席に座らないとね。それじゃあ、がんばってね」
「わかった。はい」
うん?はい?
逢生は私の目の前で目を閉じて待っている。
ま、まさかっ!
この流れは。
「見てないからどうぞ」
「逢生のやつ、調子に乗ってるなー」
渋木さんと陣川さんがそんなことを言ったけど、二人の前でできるわけがない。
三人の期待がビシバシと感じる。
けど、私は―――
「ふざけてないで真面目にやりなさいっっ!始まるまで瞑想でもしてなさいよっ!!」
怒鳴って楽屋のドアをバンッと閉めた。
はー!なんなの、とんでもないわね。
逢生ときたら、海外じゃあるまいし、人前でキスなんてできるわけないでしょー!
しかもあの二人、一緒になって煽るスタイルだし。
止めなさいよ!
怒りながら客席に行くともう席は満席。
この間より年齢層が高く、クラシックコンサートになれているのか、双眼鏡もばっちり準備し、プログラムも折り曲がったり汚れることがないようにクリアファイルを持参している。
膝の上にはレース付きのハンカチタオル。
まちがいない。