幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
自嘲気味に笑った俺に対して渡瀬は厳しい口調で言った。
「この仕事を断ることは許しません。社長から絶対に引き受けさせるようにときつく言われています」
落ちた封筒を拾い上げ、砂を手ではらう。
受けるかどうしようか迷っていた仕事だ。
海外のオーケストラの首席チェリストとして呼ばれている。
俺の尊敬するチェリストから首席チェリストとしてやらないかと誘われていた。
こんな名誉なことはない。
やりたいと思った。
けれど、俺は一度は断った。
そして、返事も送ってない。
奏花ちゃんにはもう行くことが決まったかのように言ったが、あれは嘘だ。
まだ迷っていた。
受ける返事を書いたはいいけれど、送れずにいた。
「引き受ける」
―――もう迷う理由はない。
「当たり前です」
渡瀬はきっぱりと言い切った。
「あなたは梶井理滉なんですから。若者と一緒になって遊ぶのはここまでにしてください」
『恋はここまで』
そう渡瀬に言われたような気がした。
「そうだな」
「泣くなら泣いていいですよ。笑ってあげますから」
「そんなこと言われて泣けるかっ!」
「私、男の泣く顔を見るのが好きなんですよ」
「この仕事を断ることは許しません。社長から絶対に引き受けさせるようにときつく言われています」
落ちた封筒を拾い上げ、砂を手ではらう。
受けるかどうしようか迷っていた仕事だ。
海外のオーケストラの首席チェリストとして呼ばれている。
俺の尊敬するチェリストから首席チェリストとしてやらないかと誘われていた。
こんな名誉なことはない。
やりたいと思った。
けれど、俺は一度は断った。
そして、返事も送ってない。
奏花ちゃんにはもう行くことが決まったかのように言ったが、あれは嘘だ。
まだ迷っていた。
受ける返事を書いたはいいけれど、送れずにいた。
「引き受ける」
―――もう迷う理由はない。
「当たり前です」
渡瀬はきっぱりと言い切った。
「あなたは梶井理滉なんですから。若者と一緒になって遊ぶのはここまでにしてください」
『恋はここまで』
そう渡瀬に言われたような気がした。
「そうだな」
「泣くなら泣いていいですよ。笑ってあげますから」
「そんなこと言われて泣けるかっ!」
「私、男の泣く顔を見るのが好きなんですよ」