幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
「じゃあ、私一人で行ってくるから昼食は適当に食べてね?」

「わかった」

逢生はあっさりとうなずいた。
おかしいわね。
もっとゴネるんじゃないかなって思っていたけど。
その態度に疑問を感じつつも服を着替えた。
カフェでの演奏だから、カジュアルでもかまわない。
けれど、せっかくの招待だし、あまりくだけた服装もね。
少しはしっかりめにしようとブラウンのタイトスカートシルエットのセットアップ。
当然のことながら身に着けているものはすべて我が社の商品。
着心地バッチリ、色も絶妙。
あとは白のバッグにヒールのあるサンダルを選んだ。
地味になりすぎないようにまとめた髪にはスカーフを結ぶ。
それから、逢生と同じコットンフレグランス。
もともと私が好きで選んだ香りだからいいけど、逢生は絶対に同じ香りにして欲しいという主張をしてきた。
これをつけていると梶井さんが近寄れないらしい。
そんなことを言ってたけど、私が気に入った香水を虫よけスプレーみたいな扱いにするのはやめてほしいわ。
マンションを出て、懐かしい公園を横切り、カフェ『音の葉』がある通りに出る。
天気がよく、初夏の気持ちのいい風が吹いていた。
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