幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
カフェの窓は爽やかな空気を店内に取り込めるように大きな窓がすべて開け放たれていた。
テラス席が用意されたそこにはコンサートでも見かけた梶井さんのファンの人達が座っている。
「楽しみねぇ」
「首席だなんて誇らしいわ」
「応援してきてよかったわね」
マダム達の明るい声。
息子を応援してきたような心境らしく、自分のことのように嬉しそうにしている。
ステージは小さいものの、テラス席までぎっしり埋まり、梶井さんが登場すると拍手が起こる。
雨音のように激しい拍手が。
梶井さんは私がいることに気づくと、少しだけ目を合わせて微笑んだ。
最初の曲はサンサーンスの白鳥。
思い出の曲。
レクイエムじゃなく、苦しみや悲しみを越えた澄んだ音。
あの日とはまったく違う音だと素人な私にですら、わかった。
梶井さんはもう昔の梶井さんじゃない。
もっとすごい人になって、私の思い出を超えていく。
曲が終わると拍手が起きる。
「やっぱり梶井さんの白鳥は最高ね」
「しばらく聴けなくなると思うと寂しいわ」
「これはオーケストラを聴きに行くしかないわね!」
「ふふっ。私はすでにそのオーケストラを予習してるのよ」
テラス席が用意されたそこにはコンサートでも見かけた梶井さんのファンの人達が座っている。
「楽しみねぇ」
「首席だなんて誇らしいわ」
「応援してきてよかったわね」
マダム達の明るい声。
息子を応援してきたような心境らしく、自分のことのように嬉しそうにしている。
ステージは小さいものの、テラス席までぎっしり埋まり、梶井さんが登場すると拍手が起こる。
雨音のように激しい拍手が。
梶井さんは私がいることに気づくと、少しだけ目を合わせて微笑んだ。
最初の曲はサンサーンスの白鳥。
思い出の曲。
レクイエムじゃなく、苦しみや悲しみを越えた澄んだ音。
あの日とはまったく違う音だと素人な私にですら、わかった。
梶井さんはもう昔の梶井さんじゃない。
もっとすごい人になって、私の思い出を超えていく。
曲が終わると拍手が起きる。
「やっぱり梶井さんの白鳥は最高ね」
「しばらく聴けなくなると思うと寂しいわ」
「これはオーケストラを聴きに行くしかないわね!」
「ふふっ。私はすでにそのオーケストラを予習してるのよ」