幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
もうここに私がいる必要はない。
ここだけじゃなくて―――この先もかもしれないけど。
寂しい気持ちがないといえば嘘になる。
でも、これは避けては通れない道だから。

「待って。奏花。俺も一緒に帰る」

「だめよ。深月。今からみんなで食事って言ってたじゃない」

桑地さんが止めるのも構わずに手を振り払い、私の手をとると楽屋のドアを開けて走り出した。

「ちょっと逢生!」

「うるさいから逃げよう」

コンサートの後だからか、握られた手が熱い。
いつものぼんやりした逢生じゃなかった。
―――大きな手。
逢生は身長も伸びて、力も強くなって、こうして私の手をひく。
ずっと一緒だと思っていたのは私だけ?
私は気づいてしまった。
私達は全然違う存在なんだということに。
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