幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
「逢生はよくても私が嫌なの!忘れたとは言わせないわよ。私のおやつを勝手に食べた苦い思い出を!」

食べ物の恨みは恐ろしいのよ。
ずっと忘れられないんだからね!

「あれはおばさんが食べてもいいっていうから食べた」

「名前書いてあったのにー!」

他にもカステラ、どら焼き、クッキーなどなど。
私の両親は逢生に甘すぎる。
おやつだけに―――ってそれはいいのよ。

「わかったわね?逢生!」

「他に大事なことってない?」

「ないわよ」

逢生はしょんぼりしていたけど、なにを言って欲しかったのかさっぱりわからない。
まさか前科者のくせに開き直り?

「俺よりプリン……」

そんなことをつぶやいていたけど、気にしない。
今後の安寧のためよ。
訪れよ、我が平穏。
そんなことを話しているとマンションに着いた。
マンションは私の会社と逢生が契約している事務所のちょうど真ん中の距離。
地下駐車場に車をとめるとカードキーを手にした。
エレベーターを使用するにもカードキーが必要らしい。

「高そうなマンションね」

唯冬(ゆいと)に選んでもらった」

それでマンションと事務所が近いのね、納得。
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