幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
並んだところを見れば確かにイケメンぞろい。
爽やかな笑顔が素晴らしい。

「すみません。遅くなってしまって」

私だけ課を出る前に課長に捕まった。
寿実や他の女子メンバー達は助けてくれるどころか、『お先にー』なんて涼しい顔で私の横を通り過ぎていった。
しかも、にやりと笑っていたのを見逃さなかったわよ。私は。
くっ!女の友情とは……

渓内(たにうち)さん、来てくれたんですね」

「嬉しいな。一緒に飲みたいと思ってたんだよ」

すでに盛り上がっていたのに遅れてやってきた私にそんな優しい言葉をかけてくれる。

「えー!奏花(そよか)さんにだけ、そんな風に言うんですか!私も遅れてくればよかったー」

「私達、急いできたんですよー?」

一つ下の後輩二人はずるいですーなんて可愛い声で言った。
こ、こいつらー!
私は知ってるんだよ!?
仕事が終わる前にメイクを直しに席をはずしていたことを。
これが仁義なき戦いってやつですかー!

「渓内さんに何度か食事を誘ったけど来てくれないから彼氏がいるんだと思ってたよ」

「先輩達は相手にされてなかったんで、喜びもひとしおなんですよね」
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